お店が始まって以来ずっと、うちに登りにきていただいている男性クライマーがいます。その方のお名前はEさん。僕の40歳年上で父親よりも上です。今日は毎週登りにきていただいている、お元気なEさんのお話です。
ほっとけ俺の人生だ
そのかたがこちら!
ー”ほっとけ俺の人生だ”ー
こんなお茶目な70代のおじいちゃんに私もなりたい!
このTシャツはクライミング仲間が沖縄に行ったときに見つけたもので、Eさんにお土産に買ってきてくれたものだとのこと。
選んだ仲間のセンスも、買ってきてもらえるEさんの人柄も、Eさんから伺うお話のすべてがなんかホッとするような話題なんです。
す〜ぱ〜じぃ
背中に”す〜ぱ〜じぃ”ってプリントされてるTシャツを着ていることもあるのですが、その写真はスマホに残っていませんでした。
Eさんは本当にまさに”す〜ぱ〜じぃ”で、毎週1〜2回ほどクライミングを楽しみながら登っている以外にも、”自彊術(じきょうじゅつ)”というエクササイズを週1回されていて(ラジオ体操とヨガと太極拳を合わせたもののような…)、姿勢が良く背筋がピンとまっすぐ伸びています。
Eさんがいつも笑って言っているのは、
「ここまで歳をとったけど用をたす時もまだちゃんと見えるんです(下ネタ)」
といつも笑いながら話をしてますw
ホントにチャーミング!
自彊術でやっている身体の動きをいくつか教えていただいて試したことがあるのですがかなり苦しかったです。。。
(ヘタしたらクライミングより苦しい…)
若い頃は外岩も
今は室内でのみボルダリングをしているEさんも、若い頃には外でロープクライミングをされたり、沢登りをされたり、山登りから派生するクライミング系のものはおおかた経験されてきています。
東海地方に城山と言うクライミングのエリアがあるのですが、素晴らしい景色を堪能できるルートがあるエリアだと以前本で読んだことがあったので、Eさんに行かれたことがあるか伺ったところ、昔登ったときの写真を持ってきて見せていただいたことがあります。
今よりも若さがあるEさんは、エレルギーに溢れた様子の写真でした!
ほっとけ僕の人生だ!
いつも40歳年上のE藤さんに差し入れしていただいてる栄養ドリンク飲んで頑張ろーっ!
本当にありがとうございます。気にかけていただき嬉しいです。 pic.twitter.com/hWarBoxfht— 長髪ひげメガネ店長@ボルダリングジム7年目 (@rockcube2015) February 12, 2022
そんなEさんは、ことあるたびに「はい、店長」と栄養ドリンクやみかんの差し入れを持ってきてくれます。いつもいただいてばかりなので、僕からEさんにあんこの和菓子をお返ししたりとそういうやりとりが自然と続いています。
「若い人と話をしたり登らせてもらったり、いつもありがとねぇ。」
とおっしゃっていただきます。
そう言っていただけるたびに、この小さなお店を続ける理由はここにあるとそう思います。
「身体が疲れててやっぱり今日は
登れそうにないから」と40歳も上の常連さんが、年末の最終営業日にみかんを2つ届けに来ていただけるだけで本当にありがたい。やってることは間違ってはいないと思える。
そういう人のために僕のリソースを沢山使いたいし、真逆の人のために使うリソースは正直ない。— 長髪ひげメガネ店長@ボルダリングジム7年目 (@rockcube2015) January 4, 2022
すべてのお客さんからいただいている料金はあたり前のことですが公平です。いただいているお金はたしかに同じですが、誰のために僕が仕事を頑張るかという視点で見るとそこには大きな隔たりがあります。たくさん料金をいただいてるからとかそういったことは全く関係なく、そこには大きな差があるのです。
誰かのために偏った仕事をすることで、他の誰かに対する接客をないがしろにするということはあってはいけないことは理解しています。そして、それを最低限の範囲なのかもしれないけど実行していると思っています。周りが満足するレベルじゃないのかもしれないし、それが時には不十分な接客として目に映ることもあるのかもしれない。
ただ、僕には、1対 多数で対応できる人数に限界があります。他の人はわかりませんが、僕には限界がありそのキャパも大きくないのかもしれません。
だからこそ僕は、接していて、話していて、登っていて、気の休まる人を大切にしたいし、そういう人に僕のエネルギーを使って行きたいと思っています。性格上そこに嘘がつけないのです。そいういう、頑張ってる人、元気がある人、笑顔な人、挨拶ができる人、非難しない人、他責じゃない人、そういう仲間と積極的に話をして、そういう仲間に集まってもらいたいんです。そうなることが、結局はお店に来てくれる人たちの居心地の良さに繋がって行くのではないかと思っています。
彼はこう感じてこうした。でも僕はこう感じた。感じ方が違った。「僕と違う彼の感じ方は異常だ」多様性。同じである必要はなく、違いは責める事じゃない。違うから良い事だってあるだろう。「僕はこう感じた、君はどう感じる?そうか君の感じ方もあるね、ただ今回はこう折り合いをつけよう。」伝え方。
— 長髪ひげメガネ店長@ボルダリングジム7年目 (@rockcube2015) December 20, 2021
そいう意味では僕も、”ほっとけ僕の人生だ!”とEさんの背中を追いかけているのかもしれません。